夷酋列像ーアイヌと鬼門と魔除けの絵画ーYoutube【春木晶子の日本美術史講義】1-8

夷酋列像ーアイヌと鬼門と魔除けの絵画ー【春木晶子の日本美術史講義】 連続講義最終回:18世紀の日本を凝縮する祈りの絵画

連続講義第8回
アイヌの肖像画には、日本の神話・伝説が隠されていた。
持ち物、衣装の色やかたち、人物のポーズ、そこから導かれる物語の数々と、それらが織りなす国家守護の想像力を解き明かします。

夷酋列像ーアイヌと鬼門と魔除けの絵画ー【春木晶子の日本美術史講義】
初回:導入
第二回:「交易の民・アイヌ」の創出
第三回:松前藩・江戸幕府の蝦夷地政策
第四回:大名たちの情報戦 模写が列島を駆け巡る
第五回:「真」を写す時代 博物学、蘭学、西洋画、南蘋派 18世紀の美術をめぐる状況
第六回:主君を讃える構造 日月屏風と功臣図
第七回:絵に隠された神話・伝説/前編/鬼門守護と異賊征伐
連続講義第八回:絵に隠された神話・伝説/前編/異国の富を手にいれる

連続全体の概要は下記をご覧ください。

【蠣崎波響筆《夷酋列像》の研究】

《夷酋列像(いしゅうれつぞう)》は、12人のアイヌの全身像を一枚に一人ずつ描いた12枚一組の絵画である。現在仏ブザンソン美術考古学博物館に、序文2枚と彩色画11枚が、一途ずつ独立した状態で、所蔵されている。
序文の記載と落款から、寛政2年(1790)に、波響の画号で知られる松前藩士・蠣崎広年が、兄である松前藩主・松前道広の命で描いたものだとわかる。藩主松前道広は、12人の功績を讃え、「夷人」への「勧懲」とするために、波響に12人の図を命じたという。
本研究の目的は、本作の図像および関連テキストの分析を通して、従来から指摘されていた不可解なモチーフの意味や、先行作例からの図像転用の意図を考察することで、本作の構想を明らかにし、序文に記された建前の目的に潜む、松前藩の思惑に迫ることである。
アイヌの姿には、描き手である松前藩が属する和人社会の願いや祈りが投影されていることをも、明らかにする。

春木晶子は、鹿島美術財団より調査研究助成を受けていた上記研究「蠣崎波響筆《夷酋列像》の研究」で、優れた成果を上げたと評価され、優秀賞を授賞しました。
現在、本研究を踏まえた書籍の刊行に向けて執筆している内容を、Youtube無料ライブで連続講義してまいります。みなさまとの質疑応答を通して、よりよい本にしていきたいと考えております。
下記の目次案で順に配信予定です。

 

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